2.5mmピッチ、1列(シングルロウ)2列(ダブルロウ)コネクタの定番。基板対電線、電線対電線、ポッティング対応、最大40極など豊富なバリエーションがあります。端子の結線も「圧着」と「圧接」二通りの方法がございます。程よいサイズ感により挿入、抜去の作業性にも優れております。今回、DF1Bシリーズの特徴や便利な使い方を紹介してまいります。
1枚のプリント基板上で、電源用と信号用で同じDF1Bシリーズで統一できます。統一することで、製造工数、管理工数を削減できます。
<電源用:最大3A> 1列タイプで、2極、3極が選択可能 DF1BZ-2P-2.5DSA=2極、ストレートDIP DF1BZ-3P-2.5DS=3極、ライトアングルDIP
<信号用> 1列タイプで最大20極、2列タイプで最大40極 DF1BZ-20P-2.5DS=1列、20極、ライトアングルDIP DF1BZ-40DP-2.5DSA=2列、40極、ストレートDIP
産業機器では一般的なMILリボン(2.54mmピッチ)コネクタ、ヒロセ電機製ではHIF3シリーズが有名です。MILリボンコネクタの更なるコストダウンの要求があった場合、レガシーなコネクタであるがゆえ簡単ではありません。そこで同じサイズ感のDF1Bに変更することにより、コストダウンできる可能性がでてきます。基板側のコネクタを比較してみましょう。
<2列40極、ストレート、金メッキ端子の場合> ・MILリボン用:HIF3BA-40PA-2.54DSA ・DF1Bシリーズ:DF1B-40DP-2.5DSA(01)
*MILリボンのコスト=100とした場合、DF1Bのコスト=83(当社調査価格より) *更に金メッキ→すずメッキとした場合、DF1Bのコスト=38、と大幅にコストダウン
センサーや電源の接続、メンテナンスポートなど、中継プラグを使用すれば、安価なインターフェースコネクタとして使用可能です。筐体パネルにセットできる中継プラグには、「簡易ロックタイプ」と「完全ロックタイプ」の2種類があります。嵌合相手の圧着ソケットにもそれぞれ簡易ロックと完全ロックがございますので、ペアでご使用ください。また、中継プラグ用の端子は、圧着ソケット用の端子と異なりますので注意が必要です。専用設備(アプリ)も必要です。
<中継プラグ例> ・ハウジング(簡易ロック):DF1BA-34DEP-2.5RC 34極中継プラグ用ハウジング(最少=2極) ・端子:DF1B-2428PCF すずメッキ、リール梱包(10,000個) *ハウジング(完全ロック)は下記参照
例えば、基板間やユニット間の中継接続の場合、確実な接続が求められます。電線が引っ張られて抜けてしまわないよう中継接続では「完全ロック」タイプのコネクタをお勧めします。DF1Bシリーズでは、中継接続に限り「完全ロック」タイプがございます。
<中継ソケット例> ・ハウジング:DF1B-34DES-2.5RC 34極中継ソケット用ハウジング「完全ロック」タイプ ・端子:DF1B-2428SCF すずメッキ、リール梱包(10,000個)
<中継プラグ例> ・ハウジング:DF1B-34DEP-2.5RC 34極中継プラグ用ハウジング「完全ロック」タイプ ・端子:DF1B-2428PCF すずメッキ、リール梱包(10,000個)
DF1Bシリーズは、二種類の結線方法を選ぶことができます。右図の通り、「圧着」と「圧接」がございます。圧着の場合、一つの端子で電線サイズ=AWG#24~#28と幅を持った選択が可能です。一方、圧接の場合は、AWG#24、#26、#28と電線サイズごとに専用の端子を選ぶ必要がございます。 例)DF1B-R24F・・・AWG#24用圧接端子
使用する電線サイズが一種類であれば、圧接結線として電線の被覆除去を省略することができます。圧接結線は、電線内の芯線が右図にあるスリットと接触することにより導通が確保されます。
試作や小ロット生産の場合、ハンドツール(手動工具)を使用するケースが多いと思います。そんなとき、圧接端子を使えば、電線の被覆を除去する必要がないのと、電線を右図の「電線ストッパー」に突き当てるだけで適正な位置にセットすることができます。これにより、端子の「浅打ち」「深打ち」などの不具合が軽減され品質の良い結線を行うことができます。工具の取り扱いの詳細は、お手数ですが取説をダウンロードのうえご確認ください。工具の貸出も行っておりますので、「お問い合わせ」からご用命ください。
<手動工具品名:圧接用> DF1B-T2428HR・・・ソケット用圧接端子(AWG#24、#26、#28) DF1B-T2428PHR・・・プラグ用圧接端子(AWG#24、#26、#28) *圧着用の手動工具も貸出OKです(例:DF1B-TA2428SHC、DF1B-TA30SHC)
接続信頼性を上げる手法のひとつとして、端子を金メッキにすることがあげられます。DF1Bシリーズでも金メッキの端子を用意しております。使う場合は、コネクタ双方とも金メッキ品をご使用ください。一方がすずメッキですと異種金属接続となり、電位差腐食の原因となりますのでご注意ください。
<組み合わせ例> 圧着ソケット:DF1B-8DS-2.5RC + 圧着端子:DF1B-2428SCFA=金メッキ品、リール梱包 ピンヘッダ:DF1B-8DP-2.5DS(01)=金メッキ品、8極、ライトアングル、DIP実装
DF1Bシリーズは簡易ロックタイプですが、同じ2.5mmピッチコネクタで完全ロックタイプとして「DF1Eシリーズ」があります。DF1BとDF1Eとの間に嵌合互換性はありませんが、共通の圧着端子が使用できます。 →DF1B用圧着端子+DF1E用圧着ソケットの組み合わせ
<組み合わせ例> 圧着端子:DF1B-2022SCF・・・AWG#20~22 DF1B-2428SCF・・・AWG#24~28 DF1B-30SCF・・・AWG#30 圧着ソケット:DF1E-2S-2.5C・・・2極 DF1E-15S-2.5C・・・15極 *このとき基板側は、DF1Eシリーズから選びます。 DF1EC-2P-2.5DSA(35)・・・ストレートDIP、すずメッキ DF1E-15P-2.5DS(35)・・・ライトアングルDIP、すずメッキ
DF1Bシリーズをはじめ多くの電線対基板コネクタは、電線に圧着端子を圧着し、「ソケット」と言われるコネクタハウジングに挿入して「ワイヤーハーネス」として仕上げます(参考、右図)。このときの注意点は、 ・専用圧着設備(アプリケータ)を使用する ・圧着端子と電線サイズを適合させる ・圧着後のクリンプハイトを管理する ・圧着後のインシュレーションハイトを管理する ・圧着後の端子、引張強度を管理する ことです。太平電機の協力工場ではいずれの管理も徹底しておりますので、安心して加工をご依頼ください。
また、ワイヤーハーネスでご依頼される場合、右図のような配線図を準備いただければ、すぐに見積もりをいたします。 <CN1> 圧着端子:DF1B-2428SCF すずメッキ 圧着ソケット:DF1B-20S-2.5R 20極
<CN2> 圧着端子:DF1B-2428SCF すずメッキ 圧着ソケット:DF1B-20S-2.5R 20極
太平電機では、オススメの全てのDF1Bの圧着=AWG#20~30、圧接=AWG#24、26、28の加工が行えます。また、主要な圧着端子と適合電線を在庫しておりますので、お客様にてコネクタと電線の調達はご不要です。小ロット、試作でのワイヤーハーネスのご用命も承ります。
DF1Bに適合する電線も紹介いたします。電線を端子に圧着もしくは圧接する場合、電線の導体サイズ(AWGなど)を合わせると同時に、電線の絶縁体(被覆)外径も使う端子に合わせる必要がございます。 ・DF1B-2022:AWG20~22、被覆外径=Φ1.2~1.9mm ・DF1B-2428:AWG24~28、被覆外径=Φ0.9~1.5mm ・DF1B-30:AWG30、被覆外径=Φ0.6~1.2mm ・圧接端子:AWG24~28、被覆外径=Φ0.9~1.39mm
右図に電線サイズと被覆外径の関係を示します。推奨電線はUL1061およびUL1007です。右図に示した被覆外径は、平河ヒューテック製の電線を適用しております。