2mmピッチ(2mmグリッド)2列(ダブルロウ)コネクタの定番。基板対電線、基板対基板、電線対電線など様々な接続ができるマルチユースなコネクタです。圧倒的なバリエーションで設計時の第一選択にしていただけるシリーズです。今回、DF11シリーズの便利な使い方やカタログに無い裏メニューなども紹介してまいります。
4/6/8極のすずメッキの圧着ソケット、圧接ソケットと嵌合させるだけで分岐配線することができます。例えば、電源ラインを分岐したいときに便利です。左下画像(列ショート)では、1個のコネクタで電源を最大3分岐(DF11-8DP-SP2(05)使用時)が可能。右下画像(全ショート)では、2個のコネクタで最大7分岐(DF11-8DP-SP1(05)使用時)が可能。下図、オレンジ色の部品が「ショートピン」。
基板間の距離が短い場合、電線で接続するより、直接基板と基板を接続したほうがコストが安くなります。DF11では、下図のように、垂直接続と水平接続(スタッキング)の2種類の接続が可能です。
接続信頼性を上げる手法のひとつとして、端子を金メッキにすることがあげられます。DF11シリーズでも金メッキの端子を用意しております。使う場合は、コネクタ双方とも金メッキ品をご使用ください。一方がすずメッキですと異種金属接続となり、電位差腐食の原因となりますのでご注意ください。
<組み合わせ例> 圧着ソケット:DF11-8DS-2C + 圧着端子:DF11-2428SCFA(04)=金メッキ品、リール梱包 ピンヘッダ:DF11-8DP-2DSA(01)=金メッキ品、8極、ストレート、DIP実装
DF11シリーズをはじめ多くの電線対基板コネクタは、電線に圧着端子を圧着し、「ソケット」と言われるコネクタハウジングに挿入して「ワイヤーハーネス」として仕上げます(参考、右図)。このときの注意点は、 ・専用圧着設備(アプリケータ)を使用する ・圧着端子と電線サイズを適合させる ・圧着後のクリンプハイトを管理する ・圧着後のインシュレーションハイトを管理する ・圧着後の端子、引張強度を管理する ことです。太平電機の協力工場ではいずれの管理も徹底しておりますので、安心して加工をご依頼ください。
また、ワイヤーハーネスでご依頼される場合、右図のような配線図を準備いただければ、すぐに見積もりをいたします。 <CN1> 圧着端子:DF11-2428SCF すずメッキ 圧着ソケット:DF11-8DS-2C 8極
<CN2> 圧着端子:DF11-2428SCF すずメッキ 圧着ソケット:DF11-8DS-2C 8極
太平電機では、オススメの全てのDF11の圧着=AWG22~30、圧接=AWG26の加工が行えます。また、主要な圧着端子と適合電線を在庫しておりますので、お客様にてコネクタと電線の調達はご不要です。小ロット、試作でのワイヤーハーネスのご用命も承ります。
DF11に適合する電線も紹介いたします。電線を端子に圧着もしくは圧接する場合、電線の導体サイズ(AWGなど)を合わせると同時に、電線の絶縁体(被覆)外径も使う端子に合わせる必要がございます。 ・DF11-22:AWG22、被覆外径=Φ1.2~1.45mm ・DF11-2428:AWG24~28、被覆外径=Φ0.9~1.45mm ・DF11-30:AWG30、被覆外径=Φ0.75~1.2mm ・圧接ソケット:AWG26、被覆外径=Φ0.9~1.05mm
右図に電線サイズと被覆外径の関係を示します。推奨電線はUL1061およびUL1007です。右図に示した被覆外径は、平河ヒューテック製の電線を適用しております。